ベットサイズがディフェンスレンジに与える影響(訂正版)
twitterでFLOP以降のEVがおかしいというご指摘を受けました。それを受けて訂正いたしました。
問題だった点:GTO(UTG) vs not-GTO(BB)のEV差を見るとき、UTGのCB後の各EVを比べていた点。CB後のEVで戦略の良さを評価してしまうと、AAのPure NutsのみでCBを打つのが一番良い戦略のような結論にならざるを得ません。
改善:UTG open(Hero) vs BB cold callを考えるときに
のゲーム全体のEV差を評価する。(CBを打つ前の)
狙い
実際にGTOのことはなんとなくわかったけど、レクリエーショナルプレイヤーを倒すにはどのようにするべきかを考える。
ベットサイズとディフェンスレンジ(UTG OPEN vs BB ColdCall編)
今回のボードはA-highのドライボードを想定します。
Ac 9d 6s, starting pot 55, Effective stack size 945.
BBはチェック。UTGベットサイズの33%と66%を見てみます。
UTG 33% C-bet (54% bet)
UTG 66% C-bet (34% bet)
サイズを大きくするとc-bet率が下がっています。
BBのディフェンスレンジ
これに対するBBの抵抗レンジは(見にくい方は拡大してください)
Flop Ac 9d 6s
33%のCBに対してはセットやガットショットストレートドロー、バックドアフラッシュドロー+ワンペア等をチェックレイズに回しています。JJ,TT,88,77等のマージナルなハンドはコールにしていますね。
対して66%のCBに対してチェックレイズはトップセットと一部のバックドアフラッシュドロー+ワンペアのみです。JJ, TT, 88, 77はフォールドしています。(この辺降りられる人は多分少ない)
これからわかる通り、異なるベットサイズに対して自分の抵抗レンジを変えなければいけないことになります。
フィッシュ(not GTO)はベットサイズを気にしない
彼らは自分のハンドしか見ないので(ちょっと進化すると相手のレンジを考えるふりとポットオッズの計算くらい)33%と66%のベットサイズの差なんて気にしません。なのでバリューは大きめに打つとよいです。それを以下に示します。
PIOのロックノードを使って、66%のUTGのベットサイズに対する抵抗レンジにvs 33% CBを入れてEVの変化を見ます。(フィッシュはベットサイズを気にしないので、33%を打たれようが66%を打たれようが抵抗レンジを変えないという仮定)
左の図は66%のCBに対するGTOの抵抗レンジのEVです。右の図は66%のCBに対して、33%CBディフェンスレンジを使っているときのIPのEVです。IPのEVが訳1.1上がっていることがわかります。(11.0bb/100hands相当)
UTG側はAヒットグッドキッカー(+バックドアフラッシュドロー)、ツーペア、9ヒット等で66%のベットを行うのがGTOだそうです。なので、フィッシュ相手には強いハンドのみでベットしてるだけで勝てます。(ブラフレンジを狭くする)
では、UTGが66%のベットに33%ベットレンジを用いるとどうなるでしょうか?(感覚的にはフィッシュ相手に頻度高めの大きいベットを打つ感じ、自己流の搾取戦略)
エクスプロイトなプレイをしていると思っていたのにIPのEVが33.846になっています。自分がGTOから外れてしまったおかげで、こちらも自らEVを捨ててしまいました。正しく搾取するのは難しそう。
まとめると、
UTGにとって一番EVが高いのはGTOプレイで相手がnot GTOの場合。UTGにとってEVが一番低いのは、自分が間違った搾取プレイ(GTOから外れた)場合。
終わりに
相手がGTOをプレイしている場合、GTOから離れるとまずいですよ、ということが伝わっていれば幸いです。
ところであなたはフィッシュじゃないんですか?という質問には一切お答えできません。予めご了承ください。
よりGTOについて知りたい方は過去の記事も参照ください。