Crushing or Crushed

主にShort-handed NLHEで自分が勉強したことについてまとめるブログです。

Descending Size Betting(AoNLH, Kindle, pp.1348-1349)について

AoNLHに書いてあるDescending Size Bettingがどのような時に使われているか、実際に調査してみました。

 

Descending Size Bettingとは

When our strong hands are susceptible to being outdrawn on later streets, we may choose to use a descending bet sizing structure. That is, by betting bigger on earlier streets, we make sure our opponent puts more money into the pot when he’s behind if he wants to try to outdraw us.

Janda, Matthew. Applications of No-Limit Hold'em (Kindle Locations 1348-1349). Two Plus Two Publishing. Kindle Edition.

A descending bet sizing structure is effective when we likely have the best hand and do not want to cheaply give our opponent additional cards.

Janda, Matthew. Applications of No-Limit Hold'em (Kindle Locations 1381-1382). Two Plus Two Publishing. Kindle Edition.

自分たちがベストハンドを持っているが、相手のドローにひっくり返されないようにするために最初のストリードで大きなベットサイズを用いる。ストリートが続くにつれて相手のドロー等のEQR(Equity Realization)が小さくなるので、ベットサイズを小さくしていけばよい。また、完全なポラーレンジでこちらにナットアドバンテージがある場合はDescending Bet Sizingが最適であるそうです。

みたいな感じです。

PioSolverを使って調べてみた

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プリフロップはSnowieのPreflop Adviserを参考にしました。全てのストリートのベットサイズは25%, 50%, 100%が使われています。

 

Flop

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このようなボードの場合UTGはPot sized betしか使いません。QJs, JTs等(♣のドローがないようなJTsを含む)でPot Sized Betできる人は少なさそう。それに対してBTNのレイズレンジはありません。この時EQの分布は

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BTNにコールされた時点で、OOPはPolarレンジ、IPはブラフキャッチの構図になっています。

 

Turn

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ターンでハート以外のAが落ちたときOOPのベットサイズには50%のものが使われています。

Flop 100%, Turn 50%とベットサイズを落としているためDesceinding Bet Sizingになります。TurnのEQを見てみます。

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フロップでベットしたA-highのブラフがimproveしたおかげで、OOPのレンジ全体のEQが改善しています。このような時には50%のベットサイズを混ぜるのが良いそうです。

 

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ターンでハート以外のラグが落ちた場合はポットサイズベット(or Check)が用いられています。この時点でOOPのベットレンジは、フロップの時点よりポラーされていることがわかります。

 

River (Turnで50%のサイズを用いた場合)

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リバーでハート以外のKが落ちたときOOPのベットサイズには20%のものが使われています。

Flop 100%, Turn 50%, River 25%とベットサイズを落としているためDesceinding Bet Sizingになります。RiverのEQを見てみます。

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RiverのKはOOPのレンジをかなり強くしてしまうため、大きなベットサイズが使えないのだと思います。EQの分布もNut and Air vs. Bluff Catcherの構図にはなっていません。このような時は25%といった、比較的小さなサイズのベットを用いるのが良いです。

 

River (Turnで100%のサイズを用いた場合)

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OOPのEQが高くなるようなカード(A, K, J)が落ちた場合はPot Bet(ALL-IN)です。この時のEQの分布は

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完全にNut, Air vs Bluff Catcherの分布になっています。

 

結論f:id:alphanavis:20180724215155j:plain

感想:「難しすぎる、これは再現できない」です。ベットサイズを減らして(Flop: 25%, 50%, 100%, Turn: 50%, 25%, River: 25%)、Pioを回してみましたがEV lossが大きすぎて使い物にならなさそうです。

 

このようなベットサイジングをうまく用いるのはかなり難しそうですね。しかし、多くの相手の傾向がこれから外れているということに着目すれば、それをエクスプロイトできそうです。次回は、相手がこの傾向から離れていると仮定したエクスプロイトプレイを考えたいです。