ブロッカーを考える
今回のエントリーはブロッカー(Blocker)についてです。プレイラインの例は私がRIO動画を見て勉強になったところをピックアップしたものです。
ブロッカーとは?
自分が持っている2枚のカードのことです。
自分が持っているカードは相手のレンジから消えるのでこれを利用して戦略を組み立てる必要があります。例でいくつか紹介したいと思います。
1.Riverでブラフするか否か1
BTN(Hero) open(QdTd) vs BB call
F: 5h7dAs BB x/c
T: 9d BB x/c
R: Ah BB x, BTN ?
フロップでは1/3potのCBを打ちました。それに対してBBがコール。BBはかなり広いレンジでディフェンスします。ターンでフラッシュドローになったので1/2potのCBを打ちました。それに対してBBのコール。相手のコールレンジにはdiamondのフラッシュドローが残りますが、こちらがQTdを持っているため相手のフラドロのレンジを大きく”ブロック”しています。(Qxd, Txd等)
リバーでBBはチェック。こちらのハンドにはほぼショーダウンバリューがありません、ブラフを打つべきでしょうか?
こちらはフラッシュドローを大きくブロックしてしまっているため、相手のハンドにはショーダウンバリューがあるハンドが大きく残っています。したがってブラフはうちませんでした。
S: BB has A6o and win a pot.
2.Riverでブラフするか否か2
UTG open vs BB(Hero) call(AsJc)
F: 5c4d9s BB x/c
T: Tc BB x
R: Ks BB ?
フロップは1/2potのCBに対してコール。ターンはチェックアラウンド、リバーでKsが落ちてBBのアクションターン。
私たちはAK, AT, JJ等のこちらのリバーベットに対するディフェンスレンジをいくつかブロックしています。またJをブロックしていることからQJのストレートのコンボが相手のレンジから削れています。したがってリバーは3/4potのブラフを打ちました。
BB 0.75b, SB r, BB f
3.Riverでコールするか否か1
BTN open vs BB(Hero) call(9c9s)
F: K65r BB x/c
T: 5s BB x/c
R: 3h BB x BTN x
リバーはBTNのチェックでしたが、もしベットされたときコールするべきか考えます。
こちらは99を持っており相手のブラフレンジ(AQ, AJ, AT, 78等)をブロックしていません。従ってリバーのベットに対して99でブラフキャッチをしていきたいところです。
5.PIO Analysis
2.のシチュエーションをPIOを使って分析してみましょう。PFレンジはSnowieのものを使っています。
Flop
まあ、ほぼほぼチェック。UTGの33%CBに対しては
AJoはコールとフォールドの混合戦略。やはり比較的小さいベットにはx/rを多めに含んでいますね。セット、トップペアストロングキッカー、フラッシュドロー、ストレートドローなど。
Turn : すべてチェック
River
AJは54%でベット(サイズは75%)。AsJcは31.5%でベット。
なのでリバーのブラフベットはGTO的には正しいことになります。本シチュエーションではUTGからレイズが返ってきたので素直にブラフごめんなさいフォールドしましょう。
まとめ
特にリバーでの意思決定時にブロッカーを考えることは非常に有意義です。ブラフベットをするときは相手のコールレンジをブロックしているか、リバーのベットに対してコールするときは相手のブラフレンジをブロックしていないかを考えてみましょう。
参考文献
How To Use Blockers When Counting Combos | SplitSuit Pokerhttp://www.runitonce.com
RIOの"A Deeper Look Into Blocker"を見ればよりブロッカーについてのことがわかります。Iain Salterの動画等もお勧めします。